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テント・デジタルはデジタルデザインのベストを集めたインターナショナル・ショウケースで、ロンドン・デザイン・フェスティバルの一環であるテント・ロンドンの中で開催されました。FITは良く晴れた9月26日、土曜日にブリックレインにあるTruman Brew­eryで開催されたこのイベントに行ってきました。

真っ暗闇で開催されたテント・デジタルは蛍光灯や明かりの点滅の連続でした。テント・ロンドンは明るく活気づいた様子でオーガニックな作品のお祝いをしていたので、これは意外でした。

Nick:「最初のインストレーションはWaggott Tripp & Gra­hamの『Go Scan Your­self』。これは壁に設置されたスキャナーと古いテレビセットを含むものだったね。もちろん時間を割いて自分の顔をスキャンして展示の一部になったよ。」
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Kana:「このインストレーションはオーディエンスが日常の物体を用いてエキシビジョンに参加することによる関係性がテーマになっていたね。コピー機で体をスキャンしたくなる欲求は割と皆あるんじゃないかな。単に禁止されているからという理由で。」
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Nick:「これはテント・デジタル全体の良いイントロになったね。次に僕が気に入ったインストレーションはWOWの『Tokyo Wonder』。元々は2008年の『Milan Salone』のためにコミッションされた作品だったみたいだね。この作品の映像は卓越したもので、シンプルなビジュアル要素に時々騙されたりした。遠くで電車が走るのを見ているんだけど、それが近づくにつれて、見ていた電車の窓が横に並べられた自動販売機だと気づいた時に僕らの知覚が変わるんだ。マルチカラーの粒子の霞が降りていってテクニカラーの街の風景を形つくっていく。この作品には視覚的な美というものがたくさんあったと思うな。どう思った?」
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Kana:「個人的には日本人だしセンチメンタルな気持ちになったよ。色と動きのコンビネーションがうまく東京の本質を捉えていたと思う。この作品はみごとなまでの美しさがあったし、またその動きが魅力を出して抗しがたい魅惑があったね。」
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Nick:「次に僕らの見た展示では一時的に混乱してしまったよ。Troy Abbottの作ったデジタルバード・ケージの中には前もって録画された小鳥が静かに小さなLCDスクリーンの中のとまり木に立っているというもの。」

Kana:「このプロダクトには人間に対して偉そうと言ってもいいような態度があって、それが気に入ったよ。ケージの中の小鳥がいかにも誇らしげに立ってこっちを見ているから、もうデジタル・クリエーションという扱いをさせてもらう隙さえ与えてくれない。上手に動物を選択したね。鳥には傲慢とも言える自信があるものね。どんどんとタマゴッチのようなバーチャルペットが増えるにつれて、なんだか視覚的な刺激によって人間が簡単に楽しませられてしまうと考えるとなんだか少し悲しくなるけど。ペットのかわいさに引きつけられるだけであって、負の要素を置き去りにして、現実の責任問題を避けているんじゃないのかと心配になるよ。」
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Nick:「現実感を失うという本質は次のMSA visu­alsの作品でも捉えられているね。このインストレーションはC++とOpenFrameworks、OpenCVでプログラムされていて、インフラレッドのカメラの映像をリアルタイムで分析し、OpenGLを用いて1080p HDのアウトプットを作り出すというもの。このデータは星屑のようなものがカメラとスクリーンの前に立った人をスクリーン上に形づくるというもの。これはデジタルインターアクティブ作品の鍵的要素として、オープンソースソフトの良いショウケースだね。開発されたテクノロジーはmemo.tvのウェブサイトでダウンロードできるようになっているよ。」
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Kana:「テント・デジタル全体としてはどう思った?」

Nick:「テント・デジタルはプロダクトデザイナーがデジタルに触れる良い機会だったと思うよ。デジタルとプロダクトデザインは別のものとされていることが多いから、テント・デジタルは両方にとってインスピレーションを得る機会として最良のものだったんじゃないかな。テント・エキシビジョンが将来デジタルプロダクトデザインを展示しているのを想像できるもの。」

Kana:「このイベントはとても楽しめた。でも自分たちがどれだけ物質的に飽和状態にあるか再認識してしまったな。私達は不必要な物を必要なものとして創り上げる時代に生きていると思うから。これからのデザイン業界がどれだけサステイナブルで意味のあるデザインを提供していくかに目が離せないね。」




FITが次に出席したのはショーディッチ・タウンホール9月25日に開催された『This Hap­pend』です。インターアクティブデザインのプロジェクトの舞台裏話がこのイベントのコンセプトです。プレゼンテーションでクリエイティブプロセスの裏にあるアイディアや方法を開放しようとするものでした。タウンホールからすぐ近くのMov­ing Brandsのオープンスタジオに気を取られて、結局FITはいつも通り遅れて会場に到着しました。4つのプレゼンのうち、2つを見逃してしまう始末です。
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Nick:「プレゼンはいつも難しいなと思うんだけど。どう?」

Kana:「プレゼンは毎回する度に上手くなれるものだと思う。パフォーマンスよりも、しっかりと意味を明確にした構成というのがプレゼンには必要不可欠なんじゃないかな。クリエイティブ人にとってプレゼンというのは得意分野では無いのかもしれないね。ただ、いくら素晴らしいアイディアを持っていても、それというのは自発的に将来の投資家に気がついてもらえるものではないからね。」

Nick:「ものすごいアイディア何百万もあっても、結局そのアイディアについてしっかりと考えた人だけが成功する。同時にこのアイディアを提示するのにも何百万もの違った方法があるね。でもさっきも君が言ったように、一つ一つの成功したプレゼンの共通項として、簡潔で正確な構成というのがある。」

Kana:「うん、その通りだと思うよ。」

Nick:「あと、正確さというのは大事なポイントだと思う。これ無しではプレゼンがインパクトを失ってしまうから。」

Kana:「Astrid Klein氏とMark Dytham氏によって東京で始められた『ペチャクチャ・ナイト』というのがあるけど、これは一人につきスライド20枚、一枚につき20秒というルールを設けていて、クリエイティブ人達のプレゼンテーションをうまくコントロールする賢い方法だと思うな。次のプレゼンターが上がってくるまでに、一人につき6分40秒の名誉が与えられるということ。これでプレゼンを簡潔にとどめておけるし、オーディエンスの興味も失わずに済む。ちなみに一晩でステージに上がれるプレゼンターの数まで増やせてしまう。私自身は参加したことは無いけれど、クリエイティブ人の間で世界的に人気になったイベントだね。このルール無しには今までこのイベントが出してきたインパクトを出すのは難しかったと思うな。」

Nick:「プレゼンの一分一分を考えることで、より精密に、確実になれるんだね。時にはプロジェクトに関する全ての情報は必要とはされていなくて、単に一番重要な事だけが必要とされていると。」
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Kana:「他にもどんなオーディエンスにはどのようにアピールするかとか考えることはあるけれど、一番大切な事は何よりもメッセージを伝えるという事だね。プレゼン一つ一つ違った目標があるだろうけど、ゴールがなんであろうと成し遂げられなければ単に失敗であるからね。」

Nick:「ビジネス、個人的なものであろうと、プレゼンの失敗というのはクリエイティブ・スピリットを害するパワーを持っている。誰も失敗したくないからね。しっかりした準備がこれを防いでくれるんだ。」

Kana:「『Dragon’s Den』(イギリス版『マネーの虎』)を思い出したな。真のクリエイティブ人はプロジェクトのビジネス面でもクリエイティブになれる。誰もダンカン(番組出演の投資家)に「I’m out」とは言わせたくないからね。」




毎月最後の木曜に開催される、『Glug Together』はロンドンのデザイナー、クリエイティブ、クライアントや仲間のイベントです。このイベントはStudio Out­putのイアン・ハンブルトンとPro­fero / Made Stu­dioのニック・クレメントによって始められたものです。今回のロンドンデジタルウィークスペシャルはショーディッチにあるクラブ・バー『Queen of Hox­ton』で9月24日に開催されました。

Kana:「Glugの印象はどうだった?私は行けなかったけど。」

Nick:「どう、調子は戻った?時間があまりなくてロンドンデジタルウィーク中はなかなかネットワーキングのイベントに参加できてなかったけど、これには参加する時間が作れたよ。Glugって名前(Glugはゴクゴク音を立てて飲むという意味)と『Creative Drinks & Not­work­ing(創作的な飲み会で仕事じゃない)』というタグラインが良く合っているイベント。400人ぐらいが参加していて、お酒と会話で盛り上がっていたよ。」
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Kana:「プレゼンはどうだった?」

Nick:「少し遅れてついたから前の席には座れなかったから聞こえにくかったんだ。モーショングラフィックスのMer­lin Nationのプレゼンを見たけど、なかなか良い作品を見せていたな。特に8ミリの映像をモーションデザインに練り込んだ作品が特に良かった。プレゼンをしている人はオーディエンスと戦っているようだったけど、こちらはこちらで向こうのプレゼンを聞こうと必死だったよ。結局元のフロアのネットワーキングに励んでいるみんなの所に戻った。」
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Kana:「プレゼンのイベントというよりはネットワーキング・イベントという感じだったんだ。最近はクリエイティブ業界ではどんどんネットワーキング・イベントが増えていっているね。TwitterやLinkedInのようなソーシャルネットワーキングサイトを介してオンラインでネットワーキングするより、実際に会って話した方が効果的だもの。でも、こういうイベントは人によってはおじけづいたりしてしまう時もあるかもしれない。飲み物が買えたり楽しみながらネットワーキングができる環境を与えることで、皆が気兼ねなく利用できるようになるのかもしれないね。」

Nick:「僕がデザイナーとして始めたばかりの頃はこういうイベントについて無知だった。行ったことは確かにあったけれど、もっと小さな規模のものだったし、多くの場合は入りにくいような場所で開催されていたし。確実に僕のような若いデザイナーや始めたばかりの会社の人達が参加しやすいようなものでは無かったもの。Studio Out­putやDigital Gurus (リクルートメント会社、先日の卓球トーナメントのオーガナイザーでもある)、オーガナイザーはこのイベントを開催する事でクリエイティブ人に居心地のいいネットワーキングをするように促進したんだ。よくやったと思う。クリエイティブ人は内向的な人も多いし、仕事してばっかりで息の詰まるようなオフィスや家にこもりっきりだから。僕らの中には活動的にネットワーキングするのに後押しの必要な人達もいるし。」
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Kana:「オーガナイザー達は業界の若いエリアを活性化させる大事な役目を担ったんだね。これは本質的にロンドンのクリエイティブ業界全体のこれからの発展と向上に繋がっているし。こういうカジュアルなネットワーキングというのはfacebookグループや他のSNSの流行によって簡単にされたと思うな。」




Mov­ing Brandsはベン・ウォルステンホルム氏とジャームズ・ブル氏によって始められたロンドン、東京、チューリッヒ、サンフランシスコにオフィルを持つブランディング代理店です。

9月25日にゲストを招いてスタジオと作品のお披露目にオープンスタジオイベントが開催されました。私達がこのイベントに興味を持ったのは、Mov­ing Brandsが私達の会社のように日本と繋がっているということからでした。mb2

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イベント会場であるスタジオはきちんと整頓された綺麗な場所で、彼らの作品と触れ合う訪問者達で始終にぎわっていました。(熱気でとても暑かった。)スイスコムのリブランドの図式を見たり、拡張現実のプロジェクトやインターアクティブな作品を体験しました。

イベントの終わりにはMov­ing Brandsオリジナルのクリスマスギフト用ラッピングペーパーをお土産に頂き、感謝する次第でした。Moving Brandsの作品はウェブサイトで閲覧可能です。是非訪れてみてください。




FITはSt. James Churchの地下で9月23日に開催されたデジタル・エージェンシー・テーブルテニス・トーナメントに参加しました。残念なことに私達はトレーニング不足で1ラウンドで早々に敗退しました。ファイナルでは Steak DigitalCol­lect­ive Lon­donを破り、タイトルを勝ち取りました。

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ロンドンデジタルウィーク2009(LDW)、FITはまず『A Talk With Tomato』に参加しました。JWT(ロンドンの広告代理店)で催されたこのイベントはアート/クリエイティブ業界で高く評価されているデザイン集団、 Under­worldのカール・ハイド氏とリック・スミス氏をファウンダーに持つ『Tomato』のトークイベントでした。まず会場入りした私達はJWTからコンプリメンタリー・ドリンクを頂いて、居心地の良い席に着きました。その後、Tomatoのデジタル・プロジェクトに関わるメンバー二人、サイモン・テイラー氏(写真左)とディラン・ケンドル氏(写真右)からのプレゼンテーションが間もなく始まりました。もとはメンバー三人が参加する予定だったのですが、残念な事にその内の一人が交通事故に遭ったということで、彼は参加を断念したそうです。
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Kana:「日本を拠点にしたプロジェクトのプレゼンから始まったのでビックリした。予想してなかったので。」

Nick:「 数年前にTomatoの話をしていたのは覚えているけど、何の話だったかは覚えてないな。」

Kana:「初めて彼らの事を知った時は、Underworldのビデオメイカー集団という印象が強かった。実はUnderworldから独立して日本でクリエイティブ・プロジェクトに関わって稼働しているとは知らなかったし。」
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Nick:「最初のプレゼンは2007年の11月に開催された『Art Jam Japan』についてだったね。これの基本的なコンセプトは幕張メッセで壁にライブ・ペインティングをするってことで。実はこれ意外と古いプロジェクト。でもこれで上手く残りのオーガニックなデジタルワークのプレゼンのトーンを設定できたと思うな。」

Kana: 「そのあとはNokiaの『Word Collider』、ローマのTa Mateteギャラリーのマルチスクリーン・フィルム・インストレーション『Nostalgia』、2004年スペインEXPOの『Voices』、スペ インのザラゴザで開催されたインターナショナルEXPO『Water for Life』、『テレビ朝日』のリブランディング、スペインの『Un Movil En Le Patera』、東京の『Hotel Claska Foyer』、ミラノの『ASPESI』のフラッグシップ・ストア、日本の『You Me Who』、『Nouvelle Vauge』の3rdアルバムのデザイン、映画『Gangster No.1』のオープニング・タイトル・シークエンス制作とプレゼンは続いたね。」

Nick:「僕は個人的にテレビ朝日のリブランディングに興味が湧いたな。アート集団がブランディングをするっていうのはあんまり無いから。実はこのリブランディング自体知らなかったもの。知ってた?」

Kana:「うん、見たことはあったけど。でもムーブメントのあるのは見た事なかったな。」

Nick:「このプロジェクトをするにあたってTomatoはこのインターアクティブなロゴの別バージョンを20種類も作らないと駄目だったらしい。結局その内の一つが選ばれたってこと。あの時期は彼らももっとクリエイティブな自由があったのと、ルールが少なかった事もあって、こういう事はあんまり無かったって言ってたな。要するに今に比べて競争が少なかったから。ディランはあのロゴは今も強く生き延びてるって言っていたけど、最近はヘリコプターとかコーヒーカップにプリントの発注があったみたい。だからオンラインでちょっと見てみることにした。

tv_asahiまだそのロゴが使われていて進化していっているというのはすごいね。オリジナルのロゴは音に反応する生成力のあるアニメーションだったけど、ここでは静止的に使われている。動くロゴってのは静止した時に直接的な関連性みたいなものを失うと時々思うんだけど、この静止したロゴは大丈夫だね。少し抽象的かもしれないけど、それがまた長生きの鍵なのかもしれない。だから緑の小さいキャラクターを足したのかな。」

Kana:「このプレゼン全体のテーマは『生成』だったね。だから一つ一つのプレゼン自体がムーブメントと繋がりがあったし、オーガニックな要素も取り入れられていた。テレビ朝日のリブランディングも例外ではなく。リブランディングそのものは2003年にされたと言っていたと思うけど、今もそのロゴが力強く生き延びているのは素晴らしい。『ライブ・ブランディング』とも彼らは言っていたけど、これはそのロゴが決して同じものを二度見せない、毎回ユニークである、ということ。彼らのワークは『言語』というものに直接的な関わりがあると思う。コミュニケーションやインターアクションという意味で、とても有機体的。」

Nick:「だからこのプレゼンが僕にはインスピレーショナルだった。なんだかすごくデジタルだけど、同時にオーガニックであるということ、それが見れてよかった。だ からものすごくポピュラーになっているんだと思う。ほとんどのプロジェクトがアナログの要素を含んでいて、デジタルでサッと処理するより、もっとアナログ の要素を取り入れたいと思わされたな。」